境界型糖尿病(糖尿病予備群)は、糖尿病になる一歩手前の状態です。放っておくと、糖尿病や動脈硬化などの合併症につながるおそれがあります。
ここでは、境界型糖尿病と診断される基準や原因、そして予防のポイントについてわかりやすく紹介します。
境界型糖尿病とは、血糖値が「正常より高いものの、まだ糖尿病とは診断されない」状態を指します。日本糖尿病学会の基準では、次のいずれかに当てはまると「境界型(糖尿病予備群)」とされています。
多くの人は自覚症状がなく、健康診断で指摘されて初めて気づきます。ただし、この段階でもすでに血糖を下げるホルモン「インスリン」の働きが弱まり始めており、そのまま放置すると糖尿病へ進行するリスクが高まります。
境界型糖尿病を放っておくと、血糖値が少しずつ上がり、やがて糖尿病へ進行するおそれがあります。自覚症状がほとんどないまま進むことが多く、「気づいたときには糖尿病だった」というケースも少なくありません。
また、血糖値が高めの状態が続くと、体の中ではすでに血管へのダメージが始まっています。動脈硬化が進みやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症リスクも高くなるといわれています。
つまり、境界型の段階は「まだ大丈夫」ではなく、「いま行動すれば防げる」タイミングです。生活習慣を見直すことで、血糖値を正常に戻せる可能性も十分あります。
境界型糖尿病は、遺伝的な要因と生活習慣の両方が関係しています。
もともと日本人は、血糖を下げるホルモン「インスリン」を分泌する力が比較的弱い体質といわれています。そこに、食べすぎ・運動不足・肥満・睡眠不足・ストレスなどの生活習慣が重なることで、血糖値が下がりにくくなります。
特に、次のような人は注意が必要です。
こうした生活習慣が続くと、血糖値をコントロールする力が少しずつ弱まっていきます。ただし、裏を返せば、生活を見直すことで改善できる可能性があるということです。
境界型糖尿病の段階では、生活習慣を見直すことで血糖値を正常に戻せる可能性があります。ここでは、食事・運動・体重管理の3つの視点から、予防と改善のポイントを紹介します。
食事は、血糖値に直接影響する大切な要素です。境界型の人に多いのは、「つい食べすぎてしまう」「食事の時間が不規則」「炭水化物に偏る」といった生活習慣です。
まず意識したいのは、腹八分目を心がけること。ご飯やパン、麺類などの主食は、1食あたりの量を一定にして食べ過ぎを防ぎましょう。特に夜遅い時間の食事は、血糖値が下がりにくくなるため避けたいところです。
また、食べる順番もポイントです。食物繊維を多く含む野菜やきのこ、海藻類を先に食べると、糖の吸収がゆるやかになります。そのあとに、たんぱく質を含む魚・肉・豆類を取り入れ、最後に主食を食べるのが理想的です。
この「ベジファースト」は、血糖値の急上昇を防ぐだけでなく、満腹感を得やすくする効果もあります。
甘い飲み物やスイーツを完全に我慢する必要はありません。大切なのは、“量とタイミング”を上手にコントロールすること。空腹時ではなく食後に少量を楽しむだけでも、血糖値の上がり方が穏やかになります。
運動には、血糖をエネルギーとして消費する働きがあります。つまり、体を動かすこと自体が“血糖値を下げる行為”になるのです。
激しいトレーニングをする必要はありません。1日30分ほどのウォーキングやストレッチでも十分に効果があります。
特におすすめなのは、食後30〜40分後に軽く体を動かすこと。食後は血糖値が上がりやすい時間帯なので、ちょっとした運動がインスリンの働きを助けてくれます。
また、日常生活の中で「少し多く動く」工夫を取り入れることも大切です。階段を使う、1駅分歩く、自転車を使うなど、ちょっとした積み重ねでも血糖コントロールに役立ちます。
筋肉はブドウ糖を取り込む“貯蔵庫”のような役割をしているため、筋力を維持することも重要です。スクワットや軽い筋トレを取り入れるのも効果的です。
肥満は、インスリンの効き目を悪くする大きな要因のひとつです。特にお腹まわりに脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」は注意が必要です。
体重を3〜5%減らすだけでも、血糖値の改善につながるという研究結果があります。たとえば体重70kgの人なら、2〜3kg減らすだけでも意味があるということです。
ただし、急な食事制限や極端なダイエットは逆効果です。リバウンドや筋力の低下を招き、かえって代謝が悪くなってしまいます。無理をせず、食事のバランスと運動習慣を整えることを優先しましょう。
Q. 境界型糖尿病は、薬を飲まないと治りませんか?
A. 多くの場合、薬を使わずに改善できます。
食事や運動などの生活習慣を見直すことで、血糖値を正常範囲に戻せるケースは少なくありません。ただし、血糖値が高めの状態が長く続くと、医師の判断で薬が処方されることもあります。
Q. 自覚症状がないのに、なぜ気をつける必要があるのですか?
A. 症状がないからこそ注意が必要です。
境界型の時点でも、体の中ではすでに血管の老化(動脈硬化)が始まっているといわれています。気づかないうちに進行するため、早めの生活改善がとても大切です。
Q. 境界型から糖尿病になる確率はどのくらいですか?
A. 個人差はありますが、放置した場合は数年でおよそ3割の方が糖尿病に進行するといわれています。ただし、生活習慣を見直すことで進行を大きく抑えることが可能です。
Q. 食事制限はどのくらい必要ですか?
A. 厳しい制限は必要ありません。
まずは1回の食事量を整えることから始めましょう。野菜から食べる、夜遅くに食べないなど、日常の中でできる小さな工夫を積み重ねることが大切です。無理に糖質を極端に減らすと、体調を崩す原因になることもあります。
Q. お酒や甘いものは、完全にやめたほうがいいですか?
A. 完全にやめる必要はありませんが、量と頻度を意識して減らす工夫をしましょう。
週に数回、少量を楽しむ程度であれば大きな問題はありません。甘いものを食べたいときは、空腹時ではなく食後に少しだけにするのがおすすめです。
Q. 健康診断で「血糖値が高め」と言われたら、どこを受診すればいいですか?
A. 一般内科、または糖尿病内科の受診をおすすめします。
必要に応じて、75g経口ブドウ糖負荷試験などの詳しい検査で、現在の状態を確認してもらいましょう。
Q. 一度改善しても、また悪化することはありますか?
A. あります。
境界型糖尿病は、「改善できるけれど再発しやすい状態」でもあります。一度改善しても、食生活や運動習慣を元に戻すと、血糖値が再び上がることがあるため、継続的な取り組みが大切です。
境界型糖尿病は、糖尿病になる一歩手前の段階です。今のうちに生活を整えることで、糖尿病への進行を防ぐことができます。
大切なのは、「まだ病気じゃないから大丈夫」と放置しないこと。食事の内容を見直し、少しでも体を動かす時間を増やすだけでも、血糖値は改善しやすくなります。
「まだ大丈夫」ではなく、「今なら間に合う」と考えて、今日から少しずつ行動を始めてみましょう。
境界型糖尿病の改善には、毎日の食事管理が欠かせません。しかし、毎回栄養バランスを考えながら食事を作るのは、どうしても負担が大きくなりがちです。
そんなときは、糖尿病や血糖値対策に配慮した宅配食サービスを活用するのがおすすめです。管理栄養士が監修したメニューなら、カロリーや糖質をコントロールしながら、しっかり満足感のある食事を続けられます。調理の手間が省けるため、無理なく食事改善を続けやすくなるのもポイントです。
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