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そもそも糖尿病食とは?食事の基本ルールをおさらい

糖尿病と診断され、医師から食事療法を指示されたら、どのようなことに注意して食事を摂れば良いのでしょう。食べるという行為は、生命維持の基本であり楽しみや目的のひとつでもあります。1日3度の食事のほか、間食なども含めると食べ物を口にする機会はたくさんあり、その都度注意しなければならないわけです。

そこで、糖尿病の食事療法の基礎をおさらいし、疾患を改善するためのポイントを紹介しましょう。

食事療法の目的は血糖をコントロールすることにある

糖尿病を改善するために、なぜ食事に注意しなければならないのか、考えたことはありますか?

そもそも糖尿病は、すい臓で作られるインスリンの量が不足したり作用不足によって、食べ物のエネルギーを適切に代謝できなくなる状態を言います。この状態を改善するためには、薬の内服やインスリンの投与によって作用を強化しながら、血液中の糖の量をコントロールする必要があるのです。

血糖値の目安となるのは、以下のような数値です。

<血糖値の正常値>

○空腹時の血糖値が100㎎/dL未満

○75gブドウ糖不可試験2時間値が140㎎/dL未満

上記の2項目を満たすと一般的には正常であると言われており、これ以上の数値が出てしまうと糖尿病や糖尿病予備軍と診断されるわけです。

さらに、糖尿病と診断された方が、血液検査で病状を把握する際の指針となる、血糖値目安は以下のよう数値です。

<病状を評価するための数値>

優と判断される数値

○空腹時血糖80〜110㎎/dL未満

○食後2時間の血糖値80〜140mg/dL未満

○ヘモグロビンA1c(%)5.8未満

良と判断される数値

○空腹時血糖110〜130mg/dL未満

○食後2時間の血糖値140〜180mg/dL

○ヘモグロビンA1c(%)5.8〜6.5未満

これ以下の判断数値もありますが、できれば“優”や“良”と判断された方が良いわけですから、上記の数値を目指してコントロールしていかなればなりません。

血糖値にダイレクトに影響を与えてしまうのは食事内容ですから、できるだけ糖質を摂りすぎないよう、エネルギーを過剰に摂取しないよう注意していくことが大切です。

糖尿病の食事療法を成功させるポイント

血糖値をコントロールするための食事の要点をまとめてみましょう。

糖尿病を改善するための食事療法は、以下の3つのポイントに注意すべきであると考えられます。

<体型や生活にあったエネルギー摂取を守る>

体格や生活スタイルは人によって違い、エネルギーの消費量も異なります。摂取して良いエネルギー量も異なってくるわけですから、まずは自分が摂取すべき量をきちんと把握しておくことから始めます。

適切なエネルギー量の算出方法は、以下のようになります。

【エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(kg)×身体活動量(kcal)】

標準体重は、一般的に身長(m)×身長(m)×22という式で求められます。

身体活動量というのは、1日の生活の中でどのくらい体を動かしているのかを判断するもので、一般的には以下のように分類され消費カロリーの目安が分かります。

○軽労作(デスクワーク中心の仕事、または主婦など)…25〜30kcal

○普通の労作(立ち仕事が多い職業)…30〜35kcal

○重い労作(力仕事が多い職業)…35kcal〜

上記のような計算によって、体型に合わせたエネルギー摂取量が分かり、その数値を目標に食事のカロリーを制限していけば良いわけです。

一般的な目安として、男性は1400〜1800kcal、女性は1200〜1600kcalであると言われています。

<栄養が偏らないようにバランスよく摂取する>

いくらエネルギー摂取量を守っていたからと言って、食事の栄養バランスが偏っていては意味がありません。バランスよく食事がとれているかどうかを知る目安として、食事療法では“単位”という用語を使用します。1単位は80kcalで、食べられる量の目安とします。例えば、ご飯は茶碗1杯が約160kcalですから、2単位となるわけです。

次に、食材を「穀物や芋、炭水化物の多いもの」、「くだもの」、「魚介・肉・卵など」、「牛乳など乳製品」といった6種類に分類し、それぞれを何単位食べているかでバランスを見ていくのです。

<1日に3食をきちんと食べる>

血糖値をコントロールし、安定させるためには食事の内容に注意するだけではなく、食事を摂る時間や食べる量にも注意しなければなりません。できるだけ毎日同じ時間、同じ量の食事を摂るように心がけましょう。

1日に3回食事を摂るのは、血糖値を一定に保つために必要不可欠なこと。朝食を抜いて空腹の時間が長かったり、夜にドカ食いすると、血糖値の変動が大きくなってしまいます。毎日3食きちんと食べることは基本中の基本です。

食品を計量する習慣をつけましょう

食事を取る際に食品を計量する習慣をつけるのがおすすめです。「それほど食べていないのになぜか血糖値が上がってしまった…」といった経験のある方も多いはず。

糖尿病のための食事療法を考える際には血糖値をコントロールすることが欠かせません。そのためには何にどれくらいの糖質が含まれているのかを知ることも重要です。

それほど食べていないと自分では感じていたとしても、確かに全体のボリュームは多くないかもしれませんが糖質が多かった可能性があります。これは食品を計量してそこから糖質の量をチェックしてみなければはっきりとしたことはわかりません。

各食品に含まれている糖質の量はインターネットで調べれば出てくるので、普段から取り入れることが多い食材は糖質量をメモしておくなどの対策を取ってみてくださいね。

食事記録をつける

糖尿病に悩んでいる方の中には、自宅で血糖値を測定している方も多いですよね。ですが、数値を測ってみたところなぜか上がっていた…といった経験はないでしょうか。

ここで怖いのが血糖値が上がっている理由がわからないということ。食事記録を付けていれば何が原因で上がったのか理解しやすくなります。同じように、病院で検査を受けた際に数値が良くなったと言われたとしても食事記録を付けていなければ一体どのような食生活が良い方向に働いたのかわかりません。

それだけでなく、食事記録をつけることによって自分がどのような食生活を送っているのか見直すことにもつながるでしょう。例えば間食を取ってしまった場合、「ここで食べるのはケーキではなく、糖質の少ないものにしておけば良かった…」とか、「書き出してみるまで気づかなかったけれど、最近は随分麺を食べる日が多い…」といったこともわかりやすいですよね。

最低でも1週間は食事記録を付けてみるのがおすすめです。ここで注意したいのがまとめて食事記録を付けるのはNGだということ。例えば、「3日前に食べたものをすべて書き出してください」と言われたとしても漏らさず書き出せる方は少ないのではないでしょうか。

その日のうちに食べた物は夜にまとめて書き出すか、一食取るたびに書き出すように心がけましょう。その際には食事として食べたものだけでなく、間食や飲み物などすべて書き出すのがポイントです。

面倒な方は携帯やスマートフォンで写真を撮っておくのも簡単ですね。

適正な体重を維持

食事記録をつける際に一緒に行いたいのが体重の記録です。自分にとって適正な体重を維持できるように心がけましょう。まずは自分の適正体重をチェックし、それに近づくためにはどうすれば良いのか考えてみてくださいね。

痩せている方でも糖尿病にかかることはあるので、ただ痩せれば良いわけではないのですが、体重が多いとインスリンが効きにくくなるため血糖値のコントロールは難しくなってしまいます。

適正体重に近づけるということは血糖値コントロールをしやすい体を作るためにも欠かせないことだといえるでしょう。食事の内容を見直すだけでなく、食べている量や運動量などについてもチェックしてみてくださいね。

ゆっくりよく噛んで食べましょう

つい食事を食べ過ぎてしまう方は早食いの傾向にあるのかもしれません。一口30回以上噛むのが良いとされているので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

早食いをすると満腹中枢が刺激される前に食べ過ぎてしまうため肥満につながります。ご紹介したように肥満は糖尿病を招く大きな原因にもなるので、一口食べたら箸を置いてゆっくり噛む癖を付けましょう。

ただ、食べ始めるとゆっくり噛むことをつい忘れてしまう方は歯ごたえのある食品を選ぶのもおすすめです。ゴボウやレンコンなどの噛みごたえのある野菜やこんにゃくなどを取り入れると噛む癖が付きやすくなります。

身体を動かす習慣をつけましょう

糖尿病患者において、食事療法と同じく欠かせないのが運動療法です。運動することによってエネルギー源として血液中のブドウ糖が使われます。これにより血糖値が下がるので、血糖値のコントロールには運動が欠かせません。

それだけでなく、運動してエネルギーを使うと体脂肪も燃えやすくなるためダイエット効果も期待できます。体重コントロールと血糖値コントロールの両方に効果的なのでぜひ取り入れてみましょう。

ただ、なかなか体を動かす機会が作れない方も多いですよね。運動する時間が取れない…と悩んでいる方もいますが、本格的な運動をしようと思うからなかなか時間が作れないのかもしれません。

例えば、買い物に行く際に車ではなく歩いて出かけたり、テレビを見ている最中に踏み台昇降するだけでも立派な運動になります。

特に家の中で行える運動を習慣にすると、「今日は雨が降っているから運動できない」といった自分への言い訳もしにくくなるので継続しやすいでしょう。

糖尿病食と一緒にとりたい飲み物

糖尿病食の目的は血糖値のコントロールです。食事や運動などに気を付けた生活を続けていくと、さらにもうひと工夫できないかと思う気持ちもでてきますよね。

糖尿病食と一緒にとりたい飲み物は、大きく分けて2種類あります。一つは、糖の吸収に影響を与える「自然界にある成分」が含まれた飲み物で、もう一つは、糖の吸収を穏やかにすることを目的として「抽出された成分」を添加した飲み物です。

血糖値コントロールを補う効果を期待しているため、 糖尿病食と一緒にとる飲み物は砂糖をいれずに飲めるかといった目線も大切です。

どういう飲み物なら無理なく続けられるのか、自分の生活に取り入れやすい飲み物を探してみましょう。

緑茶

緑茶に含まれるカテキンはタンニンとも呼ばれる苦味成分です。カテキンには消化酵素の働きを抑える効果があり、血糖値が上がる速度をゆるめます。脂肪の吸収も穏やかにしてくれるので、肥満の予防にもなるでしょう。

玄米茶

緑茶成分に玄米を加えた玄米茶。玄米には、オリザノールというポリフェノールの一種が含まれています。血糖値を下、悪玉コレステロールの減少動脈硬化の予防などの効果も知られています。

プーアル茶

緑茶をコウジカビで発酵させてつくる中国茶の種類のひとつ。カルシウムや鉄分などミネラル成分を豊富に含んでいる健康飲料です。中国では古くから民間療法として血糖値の改善に使われてきました。

サラシア茶

インドやスリランカでは伝統的に糖尿病の薬として使われてきました。サラシアオブロンガという植物の根にサラシノールと呼ばれる成分を含みます。糖を分解する酵素の働きを阻害する成分です。炭水化物、糖分の吸収を抑える働きを持っています。

コーヒー

クロロゲン酸類は、ポリフェノールの一種で、血糖値の上昇を抑える効果があると報告されています。糖質を分解する酵素の働きを阻害するためです。クロロゲン酸は、インスリン分泌促進作用もあります。

「難消化性デキストリン」を添加した飲み物

難消化性デキストリンは、 糖の吸収を穏やかにする水溶性の食物繊維です。水に溶けやすい性質を持ち、溶けこんだ水溶液の粘度が低いため、食品に添加加工しやすくアレンジの幅が広く、食物繊維源としてよく使われます。

食物繊維である難消化性デキストリンは、腸内環境をとのえる助けにもなります。糖だけでなく脂肪の吸収速度もゆるやかになり、肥満防止の助けにもなります。

糖尿病食と続ける飲み物を生活に取り入れて

お茶の葉はかさ張りますし、ペットボトル飲料は持ち運ぶのが重く、継続するのは負担も大きいでしょう。糖尿病食と一緒に飲みたい飲み物の購入には、通販を活用してみるとよいでしょう。

宅配で自宅に届けてもらうことで、食事療法のストレスも軽減できます。無理なく続けるためにも、宅配や通販の仕組みを上手に活用してください。

糖尿病の種類や治療の段階によっては、これらの飲み物を利用することが適切ではない場合もあります。飲み物を糖尿病食と一緒にとることを生活に取り入れたいと思ったら、まずは主治医とご相談ください。

参考

糖尿病の食事療法と減塩食

糖尿病の食事療法では、血糖値のコントロールとともに塩分のコントロールも重要になってきます。

塩分と糖尿病・合併症との関係

糖尿病で塩分のコントロールが必要な理由は、塩分の過剰摂取が三大合併症のリスク要因となるためです。糖尿病の三大合併症とは、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害をいいます。なかでも、糖尿病腎症と塩分の関係はより重視されます。

なぜ、塩分がリスク要因になるのかといえば、塩分の過剰摂取は血圧上昇と関係があるためです。※1高血圧の原因には、飲酒や肥満もありますが、日本人の場合は塩分のとりすぎがトップとなっています。※2

そして、高血圧から動脈硬化につながるなど、三大合併症の発症リスクを高め、発症している場合は病状を悪化させるおそれがあります。糖尿病の患者には高血圧の人が少なくないこともあって、塩分のコントロールは欠かせないものです。

減塩することで血圧を下げる効果があることは、数多くの研究データで明らかになっています。※3糖尿病患者の血圧の目標値は、収縮期血圧が130mmHg未満で、拡張期血圧が80mmHg未満です。※4

減塩による効果

糖尿病の食事療法で減塩を行う効果は、三大合併症に対するものだけではありません。糖尿病と高血圧は脳卒中や心臓疾患の危険性をも高めてしまいます。とくに、糖尿病腎症を合併している場合は、相互に脳血管障害や虚血性心疾患、その他の疾患のリスクを高めてしまうことが問題です。※5

合併症がある場合は降圧剤を使った血圧のコントロールが行われることになります。それに加えて、食事制限による減塩も大切です。また、合併症を予防する意味においても、減塩食を実行することで、高血圧を改善することができれば、このような危険な疾患のリスクを低下させることにつながるでしょう。

もう一点、直接的な減塩の効果ではありませんが、無視できない効果もあります。それは、医療費の抑制効果です。高齢化社会もあって医療費の増加が問題となっている今日では、健康増進によって医療費を抑えることが重要になっています。

食事制限の減塩で合併症のリスクを抑えることができるなら、降圧剤をはじめとする医療費を削減する効果も期待できるでしょう。

減塩メニューについて

食事制限で減塩食にすると、濃い味付けになれた日本人の舌には味気ない食事だと感じることがあるようです。最近では、減塩しているにもかかわらず、塩味を損なわない調味料などもあるため、こうした不満は回避できるケースも多いと考えられます。しかし、塩分さえ抑えていれば、塩味はそのままでよいのかとの疑問が残ります。薄味には、食べすぎを防ぐというメリットもあるためです。

そうはいっても、食の楽しみが減ってしまっては、治療への意欲が低下するかもしれません。食べすぎないような仕組みを考える必要もありそうです。

参考

糖尿病の食事療法なら宅配弁当がおすすめ

食事の内容を見直したり、バランスの整った食生活を目指すことは非常に大切です。ただ、料理が苦手な方や働いている方などはなかなかすべてのバランスが整った食事を作る時間は取れませんよね。

そういったときにおすすめしたいのが宅配弁当です。

糖尿病の食事療法には宅配弁当がおすすめ

宅配弁当といえば、その名の通り、お弁当を自宅まで送り届けてくれるサービスです。地方に住んでいる方などは利用できないのでは…と思ってしまうかもしれませんが、冷凍宅急便を使って全国配送に対応している宅配弁当もあります。

宅配弁当を利用すれば不要なカロリーをしっかり押さえて栄養バランスの整った食事がとれるだけでなく、毎日飽きずに継続できますね。それに、何度か宅配弁当を頼んでみれば献立作りの参考にもなるはずです。

糖尿病療法に効果的と思われる献立を考えてはいるものの、何となくいつも似通ったメニューになってしまう…と悩んでいる方にとっても宅配弁当は非常に役立ってくれるでしょう。

糖尿病の食事療法に宅配弁当が役立つ理由

特に食事を作るのが面倒な方にとって、毎日食事内容を整えることは大きなストレスにも繋がります。あまり大変に思ってしまうと「今日は面倒だからカップラーメンでいいや」といったことにもなりかねません。

宅配弁当には様々なメニューが用意されているので、楽しみながら継続することができるでしょう。糖尿病の方にとって食事療法は非常に大切なことではありますが、それがうまくいかないからこそ長年糖尿病に悩んでいる方もいるのです。

がんばって食事療法を考えた献立を作っているけれど、たまに疲れてしまうのは仕方がありません。そういった時だけでも宅配弁当を役立ててみてはどうでしょうか。

ストレスなく食事療法を実践するためには宅配弁当も一つの方法としてチェックしてみてくださいね。

糖尿病食が続いている人の体験談

糖尿病食を始めたものの続けられない方は少なくありません。糖尿病食を続けている方にはどのような特徴があるのでしょうか。また、どのような取り組みを行っているのでしょうか。糖尿病食を続けている方の特徴と体験談を紹介します。

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糖尿病食が続かない人の体験談

「糖尿病食を始めてください」といわれても、続けられない方は多いようです。糖尿病食を続けられない方にはどのような特徴があるのでしょうか。体験談などをもとに、糖尿病食を続けられない方の特徴を紹介します。あわせて、糖尿病食を続けるポイントもアドバイスします。「糖尿病食を始めてください」といわれたものの続けられない方は、記事を参考に食生活を改めてみてはいかがでしょうか。一人であれこれ悩むより、解決策を見つけやすいはずですよ。

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